堂安律

2023年6月から日本代表の10番を背負う堂安律。当初は疑問視する声も絶えなかったが、今やすっかりこの番号が似合う中心選手となった。

もともと“主役肌”だった堂安だが、昨季まで3年間プレーしたフライブルクでロールプレーヤーとして大きく成長。周りを活かしつつ自らも打開できる、ハイレベルなMFとして欧州の第一線で活躍している。

日本代表においても、3バックの新システムで右ウィングバックとしてレギュラーに定着。ブラジル戦ではシャドーに入った久保建英や伊東純也の個性を引き出しながら、チームに必要なプレーをし続けた。

「逆足のウィングバック」だからこそ得られるパスの角度を最も生かしているのも堂安であり、日本代表がさらなる進化を遂げていくうえでもカギを握る選手になりそうだ。

鎌田大地

所属するクリスタル・パレスが日本代表と同じ3-4-2-1のシステムということもあり、ブラジル戦の鎌田大地は「次に何が起こるか」の予測が際立っていた。

この試合でボランチを組み、こちらも素晴らしいパフォーマンスを見せた佐野海舟が人を捕まえる傾向が強かったのに対し、鎌田はスペースを消しながら、行くべきところで行く。そんな守り方で相手から中盤の主導権を奪っていった。

基本的にシャドーでプレーし、失点の場面に絡みがちだった2022年のカタールワールドカップと比べると、守備での貢献度は段違いにアップ。これが、プレミアリーグでレギュラーを張る選手だ。

ボールを持てば味方のために時間を作り出し、ビルドアップにやや難のあるチームの中で個として負担を背負う鎌田。世界一を目指す日本代表の中で一番遠くの景色が見えているのはこの29歳かもしれない。