FC東京にとって“変化の年”だった2023年

――2023年はFC東京のチームとしてどんなシーズンでした?(※インタビューは昨年11月25日に実施)

クラブ力としてやっぱり僕らはまだまだ未熟なんだなと思いますし、次のフェーズに向かう1年目だったのかなと思っています。

現場もそうですし、僕はどちらかというとクラブの中を見てきたので、“変化の年”だったとは思うんですよね。

ただ、サポーターの方がいて、選手はプロとして当然そこで何か表現しなきゃいけないと考えると、物足りなさもあると思います。見ていてワクワクするようなサッカーを常にしないと、首都のクラブとしては寂しい内容というか。

僕らはもっと、Jリーグを本当の意味でリードしていくようなクラブを目指さないといけません。

ビジネスサイドもそうですし、現場サイドもそこを目指さなきゃいけないなというのは僕も思っているところではあります。

――そうした中で、アカデミー出身の選手たちがレギュラーに定着したり、世代別代表でも活躍したりしています。羽生さんもスカウトをされていたとのことですが、FC東京のアカデミーから良い選手が、より多く出るようになってきたのはどんな理由があると感じていますか?

まずはアカデミーの指導者の方たちが頑張っているというのがあると思います。彼らなくしてこうした状況は作れません。

指導者の方たちがプロフェッショナルとして働いている結果だと思いますし、さらに言えば、クラブが本当に輝き続ける、輝こうとすることにより、「FC東京でプレーしたい」という子どもたちが増えると思うんです。

スカウトの時で言うと「FC東京は中学生でいいチームを2つ(U-15深川とU-15むさし)持っているんでしょう?そのエリートがさらに高校生になるなら、外から獲るスカウトは要らないのでは?」と言われるんです。

そういったことを経験すると、やっぱり力を入れないといけないですし、選手が集まってきやすいというのはクラブとして理解した中で、本当に磨ききって20歳とかで活躍するような選手をとにかく育てよう、と。

そこはアカデミーのポリシーというか、すごく意識をしながら選手たちと向き合っているんだと思います。